お母さんのこと

帰省したし、たまには実家のことを振り返ってみる

小学生ぐらいから大学あたりまで

お母さんは、いつもピリピリして怒ってた。 電車でワイワイ騒げなかったし。 家にお客さんが来たので手伝おうとすると「そのお皿は女性用」「そのケーキは女性用」「お皿はこっち向き」とか、細かく決めてて、下手に手伝うと逆に怒られた。お客さんの前でも、不機嫌な顔で私に注意してた。

お父さんがメモしようとすると、ボールペンをサッと出してくる。 私の鼻水が出ると、ティッシュがサッと出てくる。

気の利いたお母さんなんだけど、いつもピリピリしてて、 そのピリピリした空気がお客さんに伝わって雰囲気が悪くならないかなーとか、不安だった。

お葬式も泣かずに、お別れの雰囲気もださずに、ずっとピリピリしてて。 「これってお葬式なの?告別式なの?ちゃんとお別れをしたい」って思ってた。

お母さん、くちに出しては言わないけど、 お母さんがピリピリしちゃうのは、 親戚やらお父さんやらに色々言われて、泣きながら頑張ってて、その結果だっていうのを、なんとなく肌で感じてた。 仕方ないこと、というか。 「お母さんイヤだな」っていうより 「お母さん可哀想」っていう気持ちの方が大きかった。

私は、あえてボーッと生きてようと思った。 「もっと気が利くようになりなさい」ってお母さんには怒られたけど、 ボーッとしてないと見えない事、気が付かない事もあると思って、 そういう面でお母さんをフォローしようと思った。 お母さんは細かい事を気にしてくれるから、お母さんの気の回らない所に手を回そうと思った。 お葬式とか、その集まりの雰囲気を壊さないレベルでさりげなく。 お母さんが出来ない事を、私はやろう。 お母さんが撃ち漏らした敵は、私が撃とう。

実際に出来てたかは分からないけど、心持ちはそんな感じ。

大人になって

お母さんに言われたこと、全然聞いてないな、マイペースだったんだな、って、今更気が付いた。

今のお母さんはとっても穏やかです。 たぶん、子供が自立したのと、孫の影響かなーと思います。

お母さんは、子供を育てることに自信がなくて、がむしゃらに頑張ってたんだなー。